「静かな退職」という名前が生まれるより前に、僕は「静かな退職」を実施していた。時代が追いついた。
・仕事はしたくないけど、不安がある
という人にむけて書きました。
- キャリアアップの転職を行い、年収は100万円UP
- 2024年の年収見込みは800万円強
- 資産は3,000万円を突破
僕の状況はこんな感じ。ここにプラスして、趣味もめちゃくちゃ楽しんでる。乗るしかない、このビッグウェーブに。
静かな退職は人生の最適解
言葉というのはすさまじいパワーを秘めている。言葉があると概念が生まれる。
都市伝説みたいな話だけど、「花粉症」という言葉ができてから、実際に花粉症になる人が出てきたらしい。「そんな概念があるんだ」って受け止めをしたせい。
体がダルくてツラい。病院に行ったら、診断をされて、病名を言われる。すると気が楽になる。「自分の症状はちゃんと概念としあるんだ」と。
ただ僕はその概念を超越した。「静かな退職」と名前ができる前から、ほぼ同じようなものを行なっていたのだ。概念がようやく、自分に追いついてきた、極めて稀有な例。
- キャリアアップの転職を行い、年収は100万円UP
- 2024年の年収見込みは800万円強
- 資産は3,000万円を突破
僕の状況は上記な感じ。これも戦略的に「静かな退職」をコツコツと実施してきたからに違いない。
現代の日本企業で、バリバリ出世を狙うのも良い。でもそこに生きがいややりがいがなければ、旨みは少ない。
僕は出世を生贄にして、気楽さを召喚したのだ。数年後に後悔するかもしれない。しかし今のところは、「静かな退職」が最適解だと信じてる。
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静かな退職のロードマップ
静かな退職の事前準備と心構え
静かに退職をする。簡単なようで、なかなかに難しい。そもそもこれはリスクのある選択なのだ。
会社の業績が悪かったら、人員整理の対象になる可能性も高まる。きちんと作戦を立てておきたい。
静かな退職の事前準備と心構え
- 静かな退職の目標を決める
- 出世は諦める
- 仕事は取捨選択、市場価値が判断基準
静かな退職の目標を決める
「そもそもなんで静かな退職をしたいのか?」、ここが大事。
目的なく始めるのは危険。例えば僕の場合なら、「FIREをしたい!」ってのが目的。サイドFIREも視野に入れて、資産4,500〜5,000万円形成をしたい。
とりあえず仕事は最低限だけ、ってことでも良い。でもそうなると虚しさが出てくる。あと漠然とした不安が出てくる。
- 目標の資産額を達成する
- 今の会社でしかできない業務経験だけ積む
- とにもかくにも定年まで居座り続ける
こういう感じで目標を立てる。定年までしがみつくが目標でも大丈夫、なんの目標もなく結果的に定年までいるより100倍マシ。
出世は諦める
ここも大事。静かな退職スイッチを起動させる。
会社内の期末評価などは、上手くいって標準レベル。まずかったら標準以下。確変起きて、標準以上。
その会社の中の出世ルートに乗るなんてのは無理。全社員が静かな退職を発動してて、かつ社員のほとんどが僕らより無能であれば、ギリあるかもしれない。そんなレベル。
考えてみれば、そりゃそう。プライベートも犠牲にして、仕事に打ち込む。休みの日も仕事のことを考えてる、というか休日出勤してる。
そんな人が出世ルートに乗ってる。もしくはそれでも乗れない。手抜きして入れるハイウェイではない。
静かな退職をすると、アウトプットはどうしても落ちる。周囲から注目もされづらい。というか注目そのものが、静かな退職とは相性が悪い。
真っ先に出世する同期・同世代がまず出てくる。そして数年後に、やっと静かな退職組が、運が良ければ同じ階層に移る。そして出世組は、じきに一個上の階層に移る。
今の会社や組織で上に行くのは最初から諦める。誓約と制約。別の道を断つことで、選んだ道を進むスピードも上がる。
少しでも出世を望む心があるなら、静かな退職は後々後悔することになるかもしれない。
仕事は取捨選択、市場価値が判断基準
転職を意識し始めたタイミングで生まれた価値観。会社内の評価は地方誌で、市場価値は全国紙。
仕事は取捨選択をするべき。悲しいかな、何万時間かけても、市場価値がちっとも上がらない仕事は存在する。
単純作業なんかまさにそう。その会社でしか使っていないようなシステムに、延々とデータ入力をする。
ミスをしないように注意を払い、毎月多くの工数をかける。会社内では身近な人から、感謝されて評判が上がることはあるかも。
ただ市場価値に人格があれば、「え?なにそれ?意味なくない?乙ですw」って言ってくる。合理的に考えれば、市場価値が向上しない仕事は価値がない。無意味、するべきじゃない。
静かな退職の目標で、ずっとその会社に居座ることが目標なら、それでも大丈夫。でもそうでないなら、市場価値の優先順位をとにかく高める。
全く知らない会社の営業マンが面接に来て、「四半期ごとにある、新人向けの社内賞を一回受賞しました」って言われたとする。すごい気はする、でも正直よく分からん。
社内で評価はされてると思う。でもそもそも対象者が何人かも分かんないし、難易度も分からない。それよりも「今流行りのAIを用いたデータ分析を5年間担当していました」とかの方が市場価値は高い。
静かな退職で、やるべきこと
仕事を薄める
カルピスの原液をそのまま飲むなんて愚の骨頂。薄めて飲む。仕事も薄めて実行する。
先ほどの話とも重複するけど、仕事には明確に優先順位がある。市場価値の上がる仕事は価値が高く、そうでない仕事は価値が低い。
だから仕事は取捨選択する。その観点で考えると、すべき仕事は意外と少ない。
職務経歴書を書いてみると分かる。自分が担当した業務をどんどん書いていく。ひとつのトピックに関して、書けても200〜300文字くらい。
面接までこぎつけて、その業務に関して質問を受けたとする。
- 工夫したポイント&その結果
- 大変だったポイント&どうやって乗り越えたか
- 自分が担った役割
- チームのメンバーとのコミュニケーションで心がけたこと
上記の質問は、転職時の面接で聞かれる鉄板質問。転職面接を10社近く受けたけど、ほとんどこれ。これらの質問をちゃんと自分の言葉で、ハキハキ答えられれば問題ない。
つまり、職務経歴書に数百文字書いて、面接でよく聞く質問に回答できればOK。ここまで準備ができれば、それ以上は不要、というか過剰。
仕事を吟味する。吟味の仕方が分からないなら、転職サイトに登録すれば、転職エージェントが教えてくれる。
そしてその仕事を、転職面接で回答できるまで進める。これだけでOK。フルタイムの勤務だとすると、時間は余るはず。だから仕事は薄めながら行う。
テキパキこなして、仕事が増えるのは避ける。その仕事が市場価値の上がらない仕事であれば、最悪だから。
うっすら残業をする
静かな退職を成功させるには、定時に帰らないことだ。もちろん定時に帰る日もあって良いけど、うっすら残業するのをデフォルトにしておくべき。
社会人になって8年経ち、気付いたことがある。上司はおろか、周囲のメンバーも、自分の担当している業務量を正確には把握していない。
逆に考えると分かりやすい。自分も同じ部や課にいる身近なメンバーでも、どれくらいの量の仕事をしているのか、どういったところで時間がかかっているのか、知っていないはず。
じゃあ僕らはどうやって判断しているのか。答えはシンプル、業務時間。どれだけ生産性が高い人でも、いつも定時で終わっていると、なんとなく暇な印象を受ける。
かたや何をしているかあんまり分からない人でも、いつも遅くまで仕事をしていれば、きっと多くの仕事を抱えているんだろうと思う。
この性質を利用する。1〜2時間程度、うっすら残業する。静かな退職をカマしてても、こうするだけで、なんとなく周囲は「それなりに忙しいのかな」と錯覚する。
実際は暇でも問題ない。定時にずっと帰っていると、そのうちに追加の仕事を命じられる。そうすると、どうなるか。結果的に1〜2時間程度残業が発生する。
だったら最初から、1〜2時間程度残業をしておく。どうせ残業するなら、負荷が少ない方がマシ。
そしてみなし残業がない、かつ年棒性でもない、典型的な日本の企業にはなんとなくのルールがある。
- 昇給はまだまだ年功序列
- 成績がめちゃくちゃ高くても、一気に給料は上がらない
- 稼ぐには残業代を積み上げるべし
会社によっては業務成績でボーナスの額が大幅に上がることもある。しかしそうでないなら、残業代でメイクマネーするしかない。
静かな退職をする中で、僕みたいにFIREを志す人もいるかもしれない。収入UPはFIRE達成には欠かせないパーツ。
だからこそ多少の残業自体は、ウェルカムな精神でありたい。残業をするというよりも、残業代を積み上げる、こんなイメージ。
会社によって、月に30時間とか45時間とか、残業時間の天井が決まっている場合もある。積立NISA枠を埋めるみたいな感じで、残業代枠を埋めるってゲーム感覚で挑みたいところ。
楽しいアピール、忙しいアピールを欠かさない
静かな退職を成功させるには、周囲からの印象が超重要。「なんか忙しそうだな」とか「前向きに仕事に取り組んでいるな」とか、そう思わせた者勝ち。
「他人に対してできることは、キラキラと輝いている自分を見せてやることだけなのだ」と、村上龍も過去のエッセイで書いていた。
僕もあなたも役者である。しかも千両役者のドル箱スター。だから会社内では、充実してる感を出す。実態が伴ってなくても問題ない。
仕事は別に楽しくない。家で本読んだり、ご飯食べたり、映画観てる方が楽しい。外で散歩してる方が楽しい。寝てる方が気持ち良い。そんなん分かってる。
でも周囲のメンバーや上司にはこう言っておく。
これでいい、これがいい。楽しくないし、静かな退職が自分のアイデンティティだけど、こうやって振る舞っておく。
業務量で周囲は判断できない。業務時間で周囲は判断している。そして仕事に向かう姿勢でも判断している。ここまでくると、ただの印象操作ゲー。
この印象を周囲に与えておくことで、メリットは多い。いつの日か積み上げた印象ポイントが、あなたを救ってくれるはず。左遷候補になりそうなところを回避できるかもしれない。
「仕事ができないしやる気もない」だと完全にアウト、排除される。しかし「前向きだけど、仕事で成果が出ていない」なら、まだ周囲も理解してくれる。「不器用なんだな、これから伸びるかも」と錯覚してくれる。
在宅勤務が可能であれば、フル活用する
福利厚生制度や、働き方の選択肢が多いならフル活用する。権利を主張するのは罪ではない。
特に在宅勤務があるなら、どんどこ使っていきたい。なにより、在宅勤務と残業はすこぶる相性が良い。「2Z」と表記して、特許取りたい。
この2Zは味噌汁と白米、ラーメンと半チャーハン、稲葉と松本、こんくらいのベストパートナー。
静かな退職は、うっすら残業が欠かせない。ところが在宅勤務のうっすら残業、かなりダメージが少ない。
家でパソコンを起動し、来たメール・チャットに返信し、だらだらと過ごすだけでクリアできる。出社してのうっすら残業とは、心身への負担が桁違いに少ないのだ。
出社した日には集中して、最低限のやるべきことを終わらす。早めに退社。在宅の日はゆるゆるに仕事をする。
そしてうっすら残業をして、終了する。ここで大事なのが、カードの切り方である。七並べと同じ感覚。いきなり6や8を出すのが得策とは限らない。
とある仕事を終えても、すぐに提出するのはもったいない。締切を過ぎないタイミングで、迷惑のかからない範囲で提出するのが望ましい。
夏休みの宿題ではない。「思ったよりも早く終わったぜ、残りは遊んで過ごせるな、いえーめっちゃホリデー」とはならない。
早く終わったら終わったで、追加の漢字ドリルや百マス計算が出る。サラリーマンはそんな世界で生きている。
断言できるけど、早めに仕事を終えたら、上司の対応は次の2パターンになる。
- 追加の仕事がアドオンされる
- 身の回りのメンバーの仕事を手伝わされる
こういう場合はデータ入力など、単縦作業であることが多い
仕事を早く終えて、追加で与えられた仕事は、市場価値向上につながるものは少ない。上司もとりあえず手元にあるものを渡してくるから。
だから自分の担当分は、事前に方向性を認識合わせをする。完成させるだけの状態にして、最後は締切に間に合うタイミングぎりぎりの提出で良い。
ぐうの音も出ない。ぐう。しかし割り切りたい。
職場では「生産性」という言葉を、労働者に強く押し出してくる。本当に必要なものを、必要なタイミングで、終わらせる。個人単位で「生産性」を追求したということにしておきたい。
趣味こそ、命懸けでやれ
生きがいを、趣味で感じる
仕事で生きがいを感じられる人。最高、それに越したことはない。無敵状態である。
しかし残念ながら、そうではないタイプの人もいる。僕なんかまさにそう。そんな十字架を背負った人間もいるのだ。
そもそものところで、人はなんのために生きているのか。人生には行動原理が存在する。
精神の根っこにある部分で、いつもとっている行動や言動はその枝。自分の価値観を把握しておきたい。
僕の行動原理
- 人を楽しませたい!
- 人を「あっ!」と驚かせたい!
そして残念ながら、この行動原理は仕事をしていても、なかなか満たせない。
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やる気が出ない人は、自分の「行動原理」を考える。モチベーションの源泉を見つけよう。
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自分の価値観に基づいて生きていた方が、しっくりくる。そして人生はそもそも楽しまないといけない。
仕事が楽しくないなら、他に楽しめるものを見つける必要がある。没頭できるものを見つける、何かにハマれる、これも現代社会では最高峰の才能。
簿記1級、TOEIC満点、社労士資格、司法試験合格、確かにスゴい。しかしそれよりも、とことん没頭できる趣味を持っている人の方が、レベルが高い。
人生をトータルで見ると、資格は目的ではない。ツールに過ぎない。その資格を持って、どう活かすかに意味がある。
しかし趣味はそうではない。非生産的であっても問題なし。ただ充実した時間を過ごすことこそが目的。
技術は進歩してる。新入社員時代は議事録をとらされたけど、最近は生成AIで完結する。徐々に僕らがすべき仕事は減っていく。
英語ができなくても、翻訳サイトが代わりにしてくれる。しかし「自分自身が楽しむ、楽しい時間を過ごす」ってことは、自分が決めるしかない。
おすすめの趣味を考える
趣味に優劣はない。どんな趣味でも、その人が好きならOK。幸せならOKです。
だけどあえて序列をつけたい。消費の趣味は、生産・創作の趣味に、激しく劣る。
一方的にインプットするだけの趣味は消費。自分で何かを生み出すのは生産・創作。
もっというと、レベルアップの要素があれば、生産・創作。ネットサーフィンやSNS閲覧とかに、レベルアップの要素はない。
生産・創作の趣味とは?
- スポーツ
- 格闘技
- 楽器
- 動画編集
- SNSへの投稿
- 料理
- 執筆
- 人と会う
- 旅行
- アウトドア
個人的なおすすめは、執筆とスポーツ。初期費用が安いし、一人からでもすぐに始められる。
特に執筆は終わりがない。極めても極めても、まだまだ先が見えない。書店にもネットにも、お手本はごろごろ転がってる。一生かけて遊べるフィールド。
ブログを書いて、6年以上。最近では短編小説を書いたりもしてる。
書くって行為は、日本語を不自由なく使える人であれば、誰にでもできる。しかしただ書けるだけ。面白かったり、読んだ人を前のめりにさせる文章はなかなか書けない。
3年。3年書いたあたりから、文章の上で舞っている感覚になってきた。方眼用紙にきっちり書かされていたところから、自由帳に書き殴るような自由度になったのだ。
ボケても良い。一文あたりの文章が長くても良い。短くても、いとをかし。日本語という身近なツールの、操縦能力のギアが一段上がった。
もし文章を書き始めた人がいたら、とりあえず3年間は書いてみてほしい。この3年を過ぎあたりで、新たな地平線が見えるようになる。
あと最近だと、楽器やダンスを習得したい。非言語コミュニケーションのものを極めたい。
とはいえ楽器は過去にギターを挫折した。高校生の時に挫折。大学生の時に挫折。社会人になって「今ならいけるのでは」と思い、やはり挫折。ギターは無理。
かっこいい楽器はなぜに難しいのか。不条理。今はドラムをマスターしたい。楽器ができれば、言語の通じない国でも、コミュニケーションをとれそう。
静かな退職を選んだ時点で、人生は消極的な方に舵を切ってる。でもそれではもったいない。手を抜く部分があるなら、熱くなる部分があるとバランスが整う。だから趣味こそ、命を賭ける。
まとめ
では、最後にこの記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 「静かな退職」をする前に、まずは目標を決める
- 行う業務は最低限、市場価値が上がるものだけ行う
- 生きがいを感じるために、一生かけてハマれる趣味を見つける
サラリーマン生活をより豊かにするための情報に特化し、ブログの記事を投稿しています。会社員をしながら、毎日少しづつ書き溜めております。
この記事が面白ければ、是非他の記事も読んでいって下さい。貴重な時間を頂きありがとうございました。ではでは!