僕は田舎出身だ。伝えなくちゃ伝わらない。伝わるまでくたばらない。地元にスタバは無い。
出身は奈良県。高校までは奈良で、大学生から大阪に進みます。転勤もあり、東京に住んでいた時期もありました。
つまり僕は田舎も知っているし、都会で生活していたこともある人間なんです。

一人暮らしをする中で、日々感じているのですが、田舎に慣れていると人生は楽です。不便な環境でも生きていける人間は強い。
田舎耐性は履歴書に書けるレベルのスキルだし、田舎に慣れるのは間違いなくライフハック。
もしあなたが田舎出身なら、もっと自分を誇るべき。田舎で育った人は、都会で育った人よりも、逞しく生きてきたはずだから。

・田舎出身だけど、得したことがない
という人にむけて書きました。
僕は田舎をレペゼンしている男だ
大学生になって、スタバがチェーン店と知る
奈良の田舎で育った僕。奈良県の中では、まだ比較的都会な方。とはいえたかが知れている。
遊ぶところはどこにもなかった。中学生の反抗期真っ只中。ボウフラみたいにヤンキーが湧いてくる時期。
とにかくグレたがっていた同級生たち。しかしたむろできるのは、近所のスーパーの中に併設されている小さなゲームセンターだけ。プリクラと太鼓の達人しかないゲーセンでイキってる。
数年前には最寄駅の徒歩圏内にある最後の本屋さんが無くなった。電車通学をしていない公立中学に通う中学生は、参考書や問題集を買える場所がない。
イキりたがっているヤンキー、真面目に勉強したい生徒、その全てを冷たく突き放す。それが田舎。
僕の最寄駅の隣の駅に、近隣で唯一のスターバックスがあった。他になさすぎて、大学生になってから「スタバてってチェーン店なんや!」って知る始末。
東京で一人暮らしをして、中目黒の日本で一番有名なスターバックスのお店に行った時は、

なんてしみじみしてしまったり。
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観光地にならない田舎で生きる
遊ぶところは全然ない。同じようなショップばかり入ってるイオンが何個かあるだけ。商品を買ったことのないお店が9割以上。ユニクロと無印良品くらいでしかお金を使わない。
TSUTAYAは息絶えている。あっても品揃えは、貧弱、貧弱。カルチャーに触れる機会は非常に少ない。
デートするようなところもない。H&Mは大学生になって初めて行った。「H&M」がなんの略かは未だに分かっていない。

ここが問題。こういう人もいるけど、ここが大きな課題。
北海道の大自然とか、沖縄・宮古島の海とか、こういうのは素晴らしい。観光地にもなっているし、人からお金をとれる自然。
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しかし多くの田舎の自然は中途半端。人がお金を払う価値を感じない自然。本当にただ木が多いだけ、視界が緑になるだけ。


正直なところを言ってしまえば、渋谷で高校生活を過ごしたかった。大学生の頃は新宿のグレーなところでいかがわしいバイトなんぞをしてみたかった。
マイナー映画がかかる映画館の近所に住みたかったし、デカい本屋の近くで幼少時代を過ごしたかった。ちなみに奈良県は、全国で唯一県庁所在地に映画館がない県らしい。
田舎育ちは工夫と改善を繰り返して生きている
田舎は頭を使わないと、すぐに飽きてしまう

と思った方、ちょっと待ってください。なんだかんだ僕は田舎出身で良かった、こう思ってるんです。
田舎で育つと工夫と改善を繰り返して生きることになります。なぜならそうでもしないと、退屈でマジでどうしようもなくなるから。
今はまだ多少マシです。Netflixなんかのサブスクサービスがあるから。ネットがあればかなり快適に楽しく過ごせます。しかし限界はある。
スタバもない、オシャレなショップもない、ゲームセンターもない、本屋もない、コンビニもない。しかも昔はお金もない。都会に出かける交通費すらない。
こうなると解決方法はただひとつだけ。


これだけ、これだけなんです。頭を使って、なんとか自分で楽しくするしかないんです。
ここがおそらく都会との大きな違い。都会で育ったら、なんでもある。つまり意識しなければ、消費者になってしまうのみ。
かたや田舎はなにもない。消費するものがない、自分で生み出して遊ぶしかない。田舎で育つと、生産者になる。ルールを決めて、自分で遊びを生み出してしまう。
おもしろきこともなき田舎をおもしろく
自分で楽しいことを探す。なければ自分で生み出す。もしくは自分で楽しくなるように、つまらないものをアレンジする。
この能力は田舎出身は圧倒的に高い。対して都会育ちの人は遊びの能力が低い気がする。

これ僕の偏見。でも結構当たってると思う。
都会の人らからしたら、きっと楽しいものはこれまでお金を払って享受してきた。楽しませてもらうポジションになれすぎている。
ここのマインドって結構大きい。僕はいまだに、

って気持ちが根付いている。誰かに楽しませてもらうのではない、自分で楽しむのだ。
きっと田舎で幼少時代・青春時代を過ごした人たちは、お気に入りのMy 遊びを持っているはず。遊びというか、もはや暇つぶし術みたいなものだけど。
僕がしていたMy 遊び
- ダジャレ探し
「モンブランの上に変なもん、ぶらーん」が個人的な大賞 - ナンバープレートの数字4つを用いて、四則計算して10を作る
これは今でもずっとしてる遊び、外歩くだけでも無限に遊べる - 散歩ルート探し
気分によって散歩の道を変えるので、自分の黄金ルートを探す - 自分流アレンジ
好きなマンガのアフターストーリーを考える、やってることはほぼ同人誌
なにもないから、自分で生み出す。「貧乏&田舎」は最強。もはやハッピーセット。
ここにおける貧乏とは、その人の実家がお金持ちかは関係ない。家庭の教育方針で、子供時代に自由に使えるお金が少なければ、貧乏としてカウント。
使えるお金がなくて、田舎で過ごしなんかしたら、暇でしかない。リタイア後の老人でもない限り、退屈に押しつぶされる。
必要に迫られて、工夫と改善のサイクルを回し続ける。気付いたら、人生を楽しむ達人になっている。
田舎耐性があると、人生はイージーになる
都会と田舎は家賃に差がありすぎる
田舎はとにかく金がかからない
田舎耐性があると、人生はかなり楽になる。都会にこだわらない、田舎に住むことに抵抗感がない、こうなると人生のハードルはガクンと下がる。
田舎に住むとお金がかからない。スーパーなどの物価はそこまで変わりません。どこでトマトを買っても、だいたい一緒の値段。
不思議なもので美容院もそこまで値段は変わらない。都内でも安い美容院はいっぱいある。田舎でめちゃくちゃ高い美容院もある。
飲食店はちょっと差が出てくる。同じファーストフード店でも、東京の店舗の方が高いってことはある。
しかしここらへんはお店にもよる。都会でもリーズナブルなお店はあるし、田舎でもランチで2,000円とる麻布マインドを持っているお店もある。
最も大きいのは、家賃。ここが雲泥の差。固定費でビビるくらいに差が出てくる。
東京23区の家賃は平均すると、8〜10万円くらい。港区とか千代田区とかになると、13万円くらい。しかも一人暮らし1Kとかでこの値段。


都会の中でも、特に東京はイカつい。全てのものに値札がついている。お金が全てじゃないけど、全てのことにお金がかかる。
ここがツラいところなんだけど、東京に住んでいるからといって、給料に差はつかない。会社によっては住宅補助の金額に差が出るとかそれくらい。
同じ給料で生きていかないいけないのに、固定費の差があまりにデカすぎる。23区の人は、田舎の人に比べて、2〜3倍の家賃を払って生きているんです。
東京に住んでいた頃に、錦糸町にあるガールズバーに行ったことがありました。そこで対応してくれた女の子が2人いたんですが、どちらも新米の美容師さん。
地方から出てきて、都内の美容院に就職。
「美容師の給料だけでは、生活費が足りないから、掛け持ちで水商売をしてるんです」とのこと。
サラリーマンを見ても、美容師を見ても、都会で生きるというだけでめっちゃハードモード。
「山奥ニート」なんて人もいる
お金の面から見ると、田舎で住むのは圧倒的に有利。
僕がコロナ禍になって読んで感銘を受けたのが、「「山奥ニート」やってます」という本。
ニート仲間と2014年から和歌山の山奥に移住。駅から車で2時間の限界集落に暮らしているのが著者の石井あらたさん。
月の生活費は驚くなかれ1万8000円。収入源は紀州梅の収穫や草刈りのお駄賃、ブログの広告収入など。 これはこれで完全に勝ち組。

日本地図を見てみると分かるけど、ほとんどの地域は緑色か青色。すなわち日本のほとんどは田舎。
都会の部分なんて、割合でいうと超レア。レーズンパンのレーズンくらいの比率。
大企業になると、全国転勤はザラにある。大手メーカーは地方に工場があるなんて当たり前。

という根性がある人は、サラリーマンとしてもストレスが少なめに生きていける。全国のどこに行っても、それなりに楽しく生きていける。
僕の個人的な統計だけど、田舎出身の人が都会になれるのと、都会出身の人が田舎に慣れるのは、後者の方が圧倒的に難易度が高い。
都会育ちの人はよっぽどうまくやらないと一生都会では生きていけない。田舎者はそう考えると、かなりフレキシブルな人材である。
少ないコンテンツが、血となり肉となる
選択肢を絞ることで定着しやすい
田舎に住むと、家賃によらずお金がかからない。なぜならそもそもお金を使える場所が圧倒的に少ないから。
消費できるコンテンツも限られている。オンライン上のサービスには差がないですが、リアル店舗の商品の差は歴然。
僕もそうでした。音楽が好きで、映画も好きだった。しかし全然享受できない。今でこそサブスクサービスがあるから、なんとかなりますが、昔はそうもいかなかったんです。
数少ない作品しか味わえない。鑑賞したい作品なんか、全然探してもない。
しかし何事にも、メリットとデメリットはあるもの。コンテンツが少ない分、集中力と咀嚼力がハンパなくついたんです。
好きなアーティストのアルバムは、繰り返して何度も聴く。買った漫画や雑誌は、受験勉強かってくらい読み込む。
「ジャムの実験」ってご存知でしょうか。6種類のジャムと、24種類のジャムを用意して、どちらの方がより売れるのかを検証するというのものです。
結果としては6種類の試食では、試食した人の30%が購入したのに対し、24種類の試食では、試食した人の3%が購入しました。
試食のジャムを6種類に絞った結果、購入率は10倍変わりました。なぜでしょうか。
これは人間の心理によるもの。選択肢が多すぎると考えることにストレスを感じ、選択をやめやすくなるんです。
選択肢が多すぎる場合「選択をやめる」人が多い、これがこの実験で分かった人間の性質。

田舎で過ごすと、集中力が身に付く
ここで問題。ヒマで好奇心に満ち溢れている年代の人間に、数少ないコンテンツしか与えなかったらどうなるでしょう?
答えは、何度も繰り返して楽しむ。選択肢が多くて選ばない都会人と違って、少ない選択肢を血に染み込むまで集中して享受する。
この集中力はきっとお金では買えない。長年培ってしか身につけれらない。
大人になって見渡してみると、オタク気質な人って田舎出身に多い気がする。僕は完全にこのタイプ。
逆に都会の人は、なんでもありすぎてありがたみがなくなってる。機会が多すぎて、「いつでもできるし」と思って、コンテンツを摂取しない。
ここら辺が大きな違い。僕が過ごしてきた環境は、そうはいきませんでした。本屋に行っても、取り扱っているマンガも雑誌も少ない。
限られた選択肢しかないと、選ばないってことはない。絶対に何か選ぶ、そしてゴリゴリに集中して吸収する。
田舎者マインドは一生の財産
どこに住んでも僕は田舎者
僕はどこに住んでも、基本的には「自分は田舎者」という意識がある。この精神はきっとこれからも続く。六本木のタワマンに住んでも、きっと変わらない。
田舎で暮らせる、これは処世術として役に立つ。非常にタフ。環境に依存しないで生きていけるワイルドな人間なんですね。
都会で生きていけないといけない人間は、やはり少し心許ない。諸事情で都会から離れると、急に人生に彩りがなくなってしまう。
近くにコンビニがなくても良いし、百貨店なんかなくても大丈夫。自分でないものを補う意識が大事。自分で工夫をする姿勢が大事。
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仕事ができる人の共通点は「工夫・改善」ができること。変化こそが安全性を保障する。毎日の生活をアップデートできる人間でいよう!
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都会でないと楽しめない人は、消費者の側面が強い。どれだけお金を持っていても、消費者では幸せになれません。
お金を使えないところに行ったら急激にやることがなくなるから。お金を使う場所がなくても楽しめる「田舎者マインド」を持っている人とはここが違う。
田舎の制約こそ、人生を充実させる
まさにハンターハンターに出てくるキーワード「制約と誓約」の話。リスクはバネ。制約がある方が、テコが働く。
数学の問題でも、問題文が長い方が実は簡単。問題文が短い方が難しい。
文章が長い問題は、その長さに比例して、制限が多い。そのためできることが限られてくる。そうなると問題のアプローチの可能性はぐっと減る。つまりは解きやすい。
しかし問題文が短い文章は、間口が広すぎて逆に難しい。何から手をつけるべきか非常に分かりづらい。
nが3以上の自然数のとき、X^n+Y^n=Z^nを満たす自然数X, Y, Zは存在しない 。
バカでも知ってるけど、バカには解けないフェルマーの最終定理。問題文はこんなにシンプル。しかし証明されるまで330年以上かかったんです。
人生もこれと一緒。ある程度制限や制約がある方が、僕らは一歩踏み出しやすいし、発展しやすい。
田舎生まれ、何もないとこ育ち、制約とはがっつり友達。制約をバネにして、人生を楽しくするマインドを持ち続けましょう。
まとめ
では、最後にもう一度この記事をまとめます。
この記事のまとめ
- 田舎で育つと、娯楽が何もないので、自分で工夫する癖が身につく
- 田舎耐性があると、人生でコストかけずに、楽に生きていける
- 制約がある方が人生は面白くなる、田舎という制約を乗り越えてきた人材は無敵
このブログは、僕の実体験、考え、趣向をもとに記事にしている雑記ブログです。会社員をしながら、毎日少しづつ書き溜めています。
この記事が面白ければ、是非他の記事も読んでいって下さい。貴重な時間を頂きありがとうございました。ではでは!